ミニチュアバケットの作り方(成形編:ファリネッタ説明付き)

s-フランスパンタイトル.jpg

わたしがフェイクフードを作ろうと思ったきっかけであり、
今まで2年弱の間に一番たくさん捏ねてきたのがフランスパン。
ブログのあちこちに製作記を書き散らしてきましたが、
ここらで一発、まとめて手順を整理しておくことにしました。
最初に作るのは長細い「バケット」と、まん丸パンの「ブール」。
どっちも同じ原料で作るお食事パンですが、
形によって皮の厚さが変わるので、表面の見た目がちょっと違います。
そこんところが上手くできるかな・・・ 

◆材料◆

・樹脂粘土(今回はパンフラワー粘土「ファリネッタ」を使います)
・アクリル絵の具(イエローオーカー☆100均のセリアさんの物)
◆道具◆
・計量スプーン(100均で売ってたもの☆お気に入り)
・つまようじ
・歯ブラシ
・カッターナイフ(誰かわたしのデザインナイフがどこ行ったか知りませんか) 
・古タオル

あら、意外と少ない。
シンプルなパンを作るには、ほとんど道具らしい道具は使いません。
ほとんどの造形はつまようじ一本。
そんじゃまず、今回使う粘土のご紹介から参りましょう。

◆パンフラワー粘土ファリネッタのお話◆

フェイクフードを作る人のブログを読んでいると、
よく出てくる樹脂粘土が大体決まっているようです。
一番見かけるのが「コスモス」×「グレイス」の1:1ミックス。
コス×グレミックスは確かにとても扱いやすくて、
乾燥後の硬度が理想的なので、スイーツデコなんかに使うにはとても良い組み合わせです。
ただ、ちょっと弾力がありすぎて、ハードブレッドのパサパサした表面を作りにくい。
ツルリンと綺麗すぎちゃうんですよね。

「ファリネッタ(日清アソシエイツ)」は、モロに小麦粉が原料の粘土です。
パンと同じ原料なんで、開封するとパンの匂いがします 
樹脂粘土には異例の黄色みがかった色が付いている(というか小麦粉を漂白してない?)という、
本来真っ白であるべき素材の特性をガン無視した変わり種です。
肌理はとても細かくてなめらかですが、樹脂粘土に比べるとちょっと軽くて
その分強度的にはやや劣る感じがあります。
軽量樹脂粘土と樹脂粘土の中間くらいな感じですかね。

ヒートンを刺して金具でぶら下げるようなアクセサリーを作っても、
軽量粘土みたいな不安になるほどの弱さはありません。
が、ガッチリという感じでもないんで、わたしはあまりアクセサリーには使いません。
今回はマグネットに貼り付けて使うために捏ねますが、
それくらいの用途なら充分に使える丈夫さがあります。

というわけでお待たせしました。コチラがそのパン粘土「ファリネッタ」さん。

s-ふぁり0711.jpg

なんか黄色いですよね。
捏ねてから引っ張るとこんな感じです。

s-滑らか0711.jpg

ビヨ~ンと伸びる感じはなく、スッと滑らかに切れます。
この素直さが、パンのザラザラした質感を付けるのに最適なんです。
そんじゃ、パン作りに取り掛かります。

◆粘土の準備とか計量とか着色とか◆

どんなものを作るにもまず最初にやるのが、粘土の計量。
計量スプーンを使うのが楽で確実です。
テキトーに粘土を取り出して計量スプーンにつめ、
指でススイと擦り切って計ります。

s-擦り切り0711.jpg

今回使っているのは5ccの計量スプーン。
他のパンの分も合わせて4回計って20ccを取り出して置きました。
そしたら全部まとめて捏ねます。
捏ねて捏ねて、飽きるまで捏ねまくります。

この最初に粘土を捏ねるって作業ですが、
これは保管中に分離した水分を均一に混ぜるためとか、
粘土のキメを整えるためとか、いくつか理由があるようです。
確かに取り出したばかりの時とこねた後では、柔らかさや滑らかさが全然違います。
が、わたしの場合に限っては、ただ楽しくて気持ちいいので捏ねてるだけです 

いいかげん捏ね飽きたら色を付けます。
着色に使うのはアクリル絵の具一択。
安くて簡単に手に入り、水に強くて色むらになりにくいというありがたい絵の具です。
粘土に混ぜる場合においては別に水彩絵の具でも変わりはないんで、
手元にある方でいいと思います。
が、水彩絵の具は12色セットにちょうど良い黄土色が入ってないことがあるのと、
原色以外は1色だけで100均では売っていないので、結果アクリル絵の具最強ってとこですね。

s-着色0711.jpg

絵の具の量は、目分量です 
最初はほんの少しつけてから捏ね合わせ、薄ければ足します。
・・・んですが、少しづつ足していくと「まだ薄い」気分が強くなってしまい、
結果的に着色しすぎちゃったりするんですよね 
これはまあ、慣れですね。
ちなみにチューブから直接つけておりますが、これは絵の具の残量が少ないからです。
一杯に入っているときにこれをやると、ぶちゅっと出すぎて失敗します。
開封したての絵の具から着色するときは、つまようじに付けてからやった方が無難ですよ。
イエローオーカーなどの中間色は濃すぎてもあんまり被害はありませんが、
黄色や赤の強い色で絵の具が出すぎちゃうと悲惨ですから・・・ 

◆バケットの成形◆
絵の具を混ぜてさらによく捏ねたら、もう一度計量スプーンで計って5ccに分けます。
今回5ccに分けたのは、作る目的のサイズがこれだから。

s-長さ0711.jpg

上の四角い土台に載せるのにちょうどなのが5ccなんです。
作る目的に合わせて、2.5ccや10ccで計ることもありますよ。

さて、写真の通り、すでに手のひらで転がしながら延ばして、
フランスパンの細長い形にしてあります。
これを歯ブラシでポコポコとたたいて、全体にパンの皮の表情を付けます。

s-ハブらし0711.jpg

下には古タオルを敷いてあります。
マグネットの場合は下の面は見えなくなっちゃうのでやらなくても良いんですが、
こうしておくと下の面は歯ブラシを使わなくても、
ちょうど良いボソボソの跡が付いてくれてラクチンです。

フランスパンの最大の特徴と言えば「クープ」。
あのサクッとパクッと割れた、皮の裂け目のことを言います。
焼く前にナイフでスッスッと切れ目を入れておくと、
熱で膨らんだ時に切れ目から裂けて、キレイなクープができます。
この割れ目をカッターとつまようじで作ります。

最初に、クープを入れる目安のラインをカッターで薄く付けておきます。

s-目安せん0711.jpg

切り込むほど強くは刃を入れません。
あくまでも薄~く跡が付く程度です。
そのラインの内側を、今度はつまようじの先っちょを使ってしっかり囲みます。

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皮(クラスト)中身(クラム)をはっきり分けるるために、
ザックリとしっかりと割れ目の形がわかるようにして置いたら・・・。
クープの内側をくぼませます。

s-押し込み0711.jpg

このくぼみを押し込んでるのは、つまようじのお尻を折り取った断面です。
ザクザクして細かい穴だらけのクラムをやや大げさに作るために、
ギザギザした木の断面のササクレを利用してます。

一通り押し込んでしっかりと内側にくぼんだら、
これでバケットの形作りは完成です。

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表面の歯ブラシだけで付けた弱めのぼそぼそと、
つまようじの断面を使ったクープの中の粗目のボソボソの対比が際立てば成功。
普通にフランスパンとして仕上げるなら、
この状態で乾燥させて着色させれば充分です。
ていうか、パン屋さんで売っているバケットのおよそ半分はこの形ですしね。

◆皮をさらにザクザク固く見せる追加手順◆

わたしは個人的にクラストがザクザクっとしていて、ちょっと固いくらいの方が好みなんで。
クラストの固さ、香ばしさをプラスするためにもうひと手間かけます。
クープの縁の部分をパクっと開いて立ち上げるための作業です。

つまようじの先っちょをクープの一方の根元にサクっと差し込んで、
そのままググイと引き起こします。

s-クープの縁0711.jpg

粘土ってスゴイな、と思う瞬間なんですが、
こんなことしても千切れたり折れたりしないんですよね。
粘り気が強いので、かなり雑に持ち上げてもしっかりと薄く立ち上がります。

割れ目を持ち上げるのは片側だけです。
本物のバケットはそこまで派手に割れ目が持ち上がってることはまれで、
ちょっと剥がれて焦げてるかな、って程度のやつが美味しそう。
でもミニチュアの場合は特徴を大袈裟に強調することで本物っぽく見えることが多いので、
わたしはかなり大袈裟にこのクープ持ち上げ作業を行っています。

こころゆくまでクープをいじくり倒したら、今度こそバケットの完成です。
あとは着色までしっかり乾燥させておきます。
ファリネッタの場合は大体3~4日くらい。
人様に渡すものの時は強度を考えて、どの粘土でも1週間を目安にしてます。
持ち上げた縁の部分が薄いので、軽量紙粘土では簡単に折れてしまいますが、
樹脂粘土やファリネッタなら、ちょっと引っかかったくらいでは欠けたことはありません。

というわけで、バケット成形編はここまで。
着色までしばし乾燥棚でお休みなさ~い 

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