粘土パンの着色~粉吹き仕上げ(焼き色の達人使用編)

フェイクフード・ミニチュアフードの着色方法は、
色々ありそうで実はあまりバリエーションがありません。
(単純にわたしが知らないだけかもだけど) 

わたしが一番よく使う着色料「タミヤ 焼き色の達人」を使って
粘土パンの着色の手順とコツを覚え書きしておこうと思います。
その前に、粘土パンに色を付ける染料についてちょっと説明。

◆着色料の違いについて◆
「焼き色の達人」は、黄土・茶・こげ茶の3色がアイシャドーのように
パレットに入ったフェイクフード専用の着色料です。
というか、クッキーやパンのような小麦粉系の焼き物フード専用ですね。
メインにそういうものを作っている人は、使うことが多いと思います。
逆に言えば、チョコやフルーツやクリームなんかには全く使えないので、
スイーツデコ系でも焼き菓子率が低い人は使いどころがあんまりないかもです。

s-達人0720.jpg

使い掛けの写真で申し訳ない 
これが「焼き色の達人」の中身です。
見ての通り、色による減り方の差がハンパない。
その理由はこの後判明しますが、そんなこんなで黄土色と茶色だけ先に無くなってしまい、
2年で5個目の購入間近ってところです。
わたしの様に制作個数が少ない人間でこれなので、
モリモリと大量のフェイクフードを作る人なら、
月に1個じゃ足りないかもしれません。
そういう意味ではコスパがあまり良くない素材と言えますね。

コスト的なことを考えるなら、アクリル絵の具を使うのが一番手軽でしょう。
手間がかかる代わりに使う量は極少なので、かなりジャブジャブ使っても
懐が痛むような気づかいはありません。

それぞれの着色料の利点・欠点について、わたしなりに気づいたのはこんなこと。

【焼き色の達人】
作業が楽で道具もほとんど使わない
シロウトでも簡単に美しい焼き色が付けられる
色を作る必要がないので、色彩センスも不要
一気に仕上げまで行けるので時間短縮になる
×コストがかかる
×粉末なので、ニスなどでコーティングしないとこすれて色落ちする
×ニスを掛けるときに溶けるので、塗った通りの質感を保つのが難しい

【アクリル絵の具】
コストが少なくて済む
乾くと水に強くなるので、ニス仕上げをしなくても色落ちしない
表面だけでなく練り込み着色にも使うので、買い足し不要で結局お得
×色を自分で作るので、色彩感覚が重要
×水を使うため、準備や始末が面倒
×水を使うため、水に弱い粘土だと作業に注意が必要
×少しづつ色を付けるため、作業に時間がかかる
×失敗したときにリカバーが大変、ていうか不可能に近い

お手軽さと失敗しにくさで初心者向けなのは「焼き色の達人」。
コスト重視である程度慣れているなら圧倒的に「アクリル絵の具」ってとこですね。

説明はこんなところにして、そろそろ今回のメインテーマ。
焼き色の達人を使ってパンに焼き色を付けていきます。

◆材料・道具◆
・タミヤ「焼き色の達人」(定価:税別600円/わたしが買っているAmazonでは470円くらい)
・メイク用スポンジ(100均で10枚以上入ったのを購入)
・アイシャドーチップ
・いらない紙とかキッチンペーパーとか汚れても良い下敷き

◆パンの着色 by「焼き色の達人」の手順◆

焼き色の達人には、あらかじめアイシャドー用のチップのようなものが付属しています。
これはこれで使い勝手が良いのですが、広い範囲に色を付けるには向いていないのと、
あっという間にボロボロになってしまうので、
色を付けるための道具を準備します。

一番お勧めは、メイク用のスポンジ。
クリームファンデーションとか塗る、アレです。
わたしはスポンジを真っ二つにカットして使ってます。

s-パフ0720.jpg

最初に「焼き色の達人」の一番左側、黄土色をスポンジに付けて、
パン全体にゴリゴリと塗り付けます。
強弱や濃淡なんて一切に気にせず、とにかく全面にしっかりとこすり付けておきます。

s-黄土色0720.jpg

パンやクッキーは、焼くときの火の当たり具合で焦げ色が付くので、
本格的に色合いを気にし始めるのは、この次の茶色から。
黄土色は「生じゃない」状態を表すための色なので、
とにかく隙間なく全体に塗ってしまってOKです。
・・・だから一番最初に無くなる・・・ 

思うんですが、最初に粘土に着色する段階で考えて色を作っておけば、
逆に黄土色は塗らなくても良いくらいじゃないですかね。
と、今唐突に気づいてしまいました 
次に機会があったら試してみようかな。

さて、全体に黄土色だけ着色し終わるとこんな感じになります。

s-黄土退避0720.jpg

上が着色済み、下が同じ粘土で作った無着色状態の物です。
まだあんまり差がわかりませんね。

黄土色が終わったら、続いて茶色を塗っていきます。
使うのはやはりメイク用のスポンジ。
今度は多少のメリハリをつけ、角が出ている部分や
鉄板に触れている部分から着色します。

s-茶色0720.jpg

火が当たらない部分、フランスパンで言うとクラム(内側の白い部分)には
あまり着色料が付かないように気を付けます。
逆に尖った先端やクープ(割れ目)の縁は、
何度もこすって濃い目に色を付けるように頑張ります。

茶色まで終わるとこんな感じになります。

s-茶対比0720.jpg

だいぶ焼けてきた感じになってきた 

この段階までで、仕上がりの全体像はほぼ固まった状態になります。
なので、色が薄すぎるところはアイシャドーチップを使ったりして
こころゆくまでしっかりと色を付けておきます。

最後に焦げ茶色を塗りますが、これはポイント使いだけになります。
アイシャドーチップを使い、クープの飛び出した先端と
バケットの両端のとがった部分だけはっきりと焦げ色を付けて終了。

s-こげ茶0720.jpg

s-こげ茶完成0720.jpg

これでバケットの着色は終了です。

他のパン、食パンやデニッシュみたいにまったく質感が違う物であっても、
焼き色の達人を使った着色の手順はすべて一緒です。
パンの種類によって焼け方も様々ですが、
火のあたるところだけ茶色くすることに変わりはないので、
自分が食べたい具合に焼き上げることだけを意識して仕上げてます。

ちなみに、丸い形のフランスパンブールの方はこんな風に着色します。

s-ブール茶0720.jpg

すでに黄土色は全体に塗り終わって、茶色を着色しているところです。
ブールの場合は、焼けたクラスト(皮)と中身のクラムの色の対比がハッキリしてるほど
おいしそうな焼き色になります。
なので初めからアイシャドーチップを使って、
出っ張った部分にゴリゴリと強めに茶色を塗り付けます。
引っかかるところがないし形も単純なので、時間がかからず楽ちんです 


◆達人着色後の後処理◆
着色料の違いでご紹介した通り、「焼き色の達人」は粉末顔料です。
本当にアイシャドーなんかと同じような質感ですが、
油溶性ではなくて水溶性です。
つまり、色を付けたまま何もしないでいると、
簡単にこすれて落ちてしまうということ。
これを防ぐには上からニスを塗る必要がありますが、
水溶性のニスを使うとニスに溶けて、全体の色が混ざってしまうということです。
せっかく濃淡をつけて焦げ色を付けたのに、
ニスの段階で台無しになっちゃうんですね 

最初の頃はそれも仕方ないと思って、
ニスの塗り方を薄塗りにしてみたり、筆をひと筆ごとに拭いてみたり。
色々試してみたんですが、どうしてもこれだ!という方法にたどり着けませんでした。
それで最近やっている仕上げのひと手間が、スプレー定着剤です。

s-フィキサ0720.jpg

後ろに写っているのは、パステル画やエンピツ画の仕上げに使う
「フィキサチーフ」という絵画用の定着剤です。
ニスのようなしっかりした被膜は作れませんが、
粉落ちを防ぐ薄い皮膜を作ってくれるスプレーです。
ニスを塗る前にこれを全体に吹き付けておくと、
ニスの筆で達人がにじんでくれるのをある程度防いでくれるんです。

もっともフィキサチーフも霧状の液体なので、
あまり一度にたっぷり吹き付けてしまったり乾かないうちに重ねたりすると、
顔料が浮いて流れてしまったりします。
かなり離して(40cm以上とか)、少しづつ薄く吹き付けないといけません。
完全に乾かしながら2度吹きしてから、さらにニスを塗って完全にコーティングして完了。
トッピングなどの飾りつけがあるものは、ニスまで全部終わらせてから作業します。

残念なことに、フィキサチーフだけだと、2度吹きしても完全に色落ちは防げません。
なので、この後のニス塗りは結局必要になります。
ニスの時に顔料が落ちたり流れたりはしませんから色は自分が付けたままで保てますが、
言ってしまえばそのためだけにひと手間加えてるんで、
面倒なら、っていうか普通は、フィキサチーフはやる必要ないかもですね。
あくまでも自分のこだわりポイントなんで、参考までに書留ときますけど 

というわけで、「焼き色の達人」での着色はこれまで。
近いうちにアクリル絵の具の着色も手順をまとめますね~ 


◆オマケ:ブールに小麦粉をはたく◆
ハードブレッドの中には、表面に白粉が付いてるものが結構あります。
同じフランスの田舎パンでブールと見た目がよく似ている「カンパーニュ」や、
ドイツのライ麦パンなんかはかなりの確率で粉付き。
ブールの場合は半々くらい、バケットでもまれに粉吹きタイプを見かけますね。

粘土パンに粉を付けるのは、実は結構面倒です。
ていうか、粉を付けるだけなら別に大変じゃないんですが、
後からニスで仕上げると、せっかくの粉がコートされて見えなくなっちゃうからです。
曇りガラスに水を掛けると一瞬透明っぽくなりますが、
あの状態がずっと保持されちゃう、みたいな感じになっちゃうんですね。
かと言ってニスを掛けないと、粉がこすれ落ちてまわりを汚したり、
薄くなって汚らしくなっちゃったりするんですよね。。。 

今までいくつも粉をキレイに付ける方法を試してきたんですが、
現時点で有効なのは、2つです。

1.最初から白くてニス負けしないものを使って粉を振った雰囲気を出す。
→スイーツデコ用の「タミヤ トッピングの達人(粉砂糖)」なんかなら、
ニスを塗っても割としっかり白く浮き上がってくれます。
が、しっかりしすぎて"パンの表面の小麦粉"っていうよりは、"砂糖衣"になっちゃいます 
→アクリル絵の具の白を使って、筆先でポンポンと粉上に色を付けることもできます。
が、しっかりしすぎて(・・・以下略)

2.最初から粉末をニスに混ぜて塗る。
→当然粉っぽさは薄くなっちゃいますが、後からニス塗ってガッカリするより
精神的には楽です 
どういうことかって言うと、こんな風に作業します。

作業前に、パン全体にニスを塗って仕上がった状態にしておきます。

まず、粉に使うベビーパウダーを出します。
そこにニスとして使うものを混ぜます。

s-ベビーパウダー0720.jpg

ニスとして使う物、ってなんか含みのある書き方しましたが、
わたしが使ってるのは「ダイソー ネイルトップコート(マット)」、
つまり仕上げ用の透明マニュキュア。
ダイソーのマットタイプのトップコートは、
表面がツヤツヤしないのでパンの仕上げにお気に入りです。

このトップコートとベビーパウダーをよく混ぜまして、
乾いちゃう前にパンの表面、出っ張ってる所に塗り付けます。

s-粉塗り0720.jpg

ネイル用の物は乾燥が早いんで、すぐにダマになっちゃいますが、
そこんとこは気合いで、とにかく表面にこすりつけるように塗ったくります。

塗ったらすかさず、つまようじのお尻を折り取った断面で
ボスボスと上から叩きます。

s-粉荒らし0720.jpg

トップコートと粉を混ぜて塗っても、塗っただけだと粉感は出ません。
(当たり前だけど、濁った液体塗っただけな感じになります。。。)
ザラザラな物で表面を荒らすと、混ざった粉が浮いてくるのと
ツルンとしたトップコートの質感が崩されるのとで、
何とな~く粉っぽい感じになってきます。

こころゆくまで塗っては荒らしたのがこんな感じ。

s-粉付け完成0720.jpg

正直言って、「トッピングの達人(粉砂糖)」で仕上げたのとどう違うかって言うと、
ほとんど差なんてないんですけどね 
こっちの方が混ざってる粉末が細かいので、ちょっと軽い感じになりますかね。
あと、曲がりなりにもトップコートなんで、
この上からニスで仕上げる必要がないのが利点っちゃー利点です。

パンに小麦粉をはたく仕上げ方については、まだまだ研究途中です。
もっと軽くて美味しそうに粉仕上げ出来る物がないかなぁ 




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