
粘土パン作りの覚え書き第4弾は、クロワッサン。
シナモンロールとかねじりパンにしようかと思って画像フォルダを漁ってたら、
そういえバケットなんかと一緒に作ってたのを思い出しました

手順の多さではトップレベルのパンなので、
当時の作り方を忘れないうちにアップしちゃおうと思います。
◆材料◆
・樹脂粘土(「パンフラワー粘土 ファリネッタ」使用。でも、コス×グレとかの方が作りやすいかも)
・アクリル絵の具(イエローオーカー)
・モデナペースト(マニアック手順のみ使用)
・「タミヤ 焼き色の達人」(フェイクフード用着色料)
◆道具◆
・カッターナイフの刃(出来るだけ刃渡りが長い物。大型カッターが最適)
・プレッサー(粘土を押しつぶすための物。平たくて固い物なら何でもOK。簡単パターンで使用)
・クッキーローラー(または丸い棒。マニアックパターンで使います)
・つまようじ
・クッキングペーパー
前回のフランスパンの流れで「ファリネッタ」という小麦粘土を使ってますが、
実際にクロワッサンを作るなら、もう少し粘度が高い樹脂粘土がお勧め。
コスモス×グレイスの1:1ミックスや、レジックスあたりが扱いやすいかもです。
カッターの刃については、大きくカットするために非常に便利なので、
出来れば一本持っておくと良いですね。
わたしが使っているのは大型のカッターの刃で、
刃が付いていない側はビニールテープとかマスキングテープを貼ってあります。
刃がどちら側についているかパット見わかりやすくて安全なのと、
力を入れたときに指が痛くないためを兼ねてます。
着色はアクリル絵の具でもできますが、細かい隙間が多い形のため
「焼き色の達人」があると非常に便利です。
アクリル絵の具だと、隙間が大きく空いたときに色を付けにくく、
コントラストがハッキリしすぎちゃうのがちょっと難点かな。
えーと・・・材料と道具の説明はこんなもんかしら。
では、作り始めま~す

◆割と簡単(当社比?)な作り方◆
クロワッサンは、2等辺三角形の生地をクルクル巻いて作るパン。
生地はバターを織り込んで何度も畳まれるためサクサクと軽く、
焼いたときにバターが溶けて浮き上がるので、
いくつもの薄い層が重なって見えます。
実際のパン作りと同じように形を作りますが、
生地を作る時のやり方でだいぶ表情が変わります。
まずは小さい物や金具をつけてぶら下げるアクセサリーにするのに適した、
1枚の生地を巻いて作るやり方です。
粘土の準備はいつも通り。
量を計りよく捏ねて、アクリル絵の具のイエローオーカーを練り込んで
小麦粉の色に着色してあります。
その粘土をクロワッサンの生地の形に成形します。
手のひらにはさみ、バイバイするようにコロコロと転がすと、
片側が細い円錐形に延びていきます。

バイバイする側の指先にやや力をかけるのが、
綺麗な円錐形を作るコツ。
ある程度伸びたら、そのまま三角形につぶします。

プレッサーがどっかに紛れ込んで行方不明なので、
麺棒ケースの蓋を使ってつぶしております。
しかしこないだのデザインナイフと言い、よく物がなくなる机だわね・・・

この時の厚みは、巻きやすくかつあまり薄くないくらい。
いつも漠然とした説明でスミマセンが、今回作った2.5ccの粘土で言うと、
大体2mm程度ってところでしょうか。
あんまり厚いと巻きにくいし、薄すぎると形が作りにくくなります。
が、この加減はヒトによって好みが分かれるとこなんで、
何度も巻いては潰し、捏ね直してはまた巻いてを繰り返して覚えるしかないっす。
潰した粘土は、底と両脇を平らな物で押し固めながら
出来るだけ直線になるように整えます。
押すと一部だけ厚みが変わっちゃうので、
この作業中も何度か押しつぶし直して平らにしながら、
徐々に形を整えていく必要があります。

出来上がったのがコチラ。

底の長さが2cm、高さが6cmの円錐形になりました。
普段作っているものと比べると、ちょっと細長すぎたかな?
底2cmだと高さ5cmくらいでよかったかも。
ここも好みによるところなんで、大体このサイズを目安に
好きな大きさを見つけてみてくださいな

形が決まったら、歯ブラシを使って表面をポンポンします。
片側だけでOK。
裏側は巻き込まれて見えなくなりますからね。

そしたらいよいよ、フランスパンの美味しさのヒミツ、
サクサクの割れ目を作る作業です。
これはヒトによってだいぶ作り方が違うと思います。
巻いちゃってからカッターや粘土ベラを使って筋を刻んでもいいんですが、
わたしはこういう風にやってます。
三角形の長辺、左右の縁に沿って、カッターの刃を使って細かい筋を付けます。

強弱をつけて、サクサクと小刻みに刃を当てて、
5~10本程度の線を付ける感じです。
あんまり力を入れると当然切り離されちゃうし、
あんまり弱すぎると今度は巻くときに跡が消えちゃってショボンです。
両側に筋を刻んだら、生地の準備は完了。

さあ。
いよいよ正念場、クロワッサン巻き巻きタイムがやってまいりました

クロワッサンの形をキレイに作るために、
三角形の底にあたる部分の中央に切り込みを入れます。
これも実物のパンを焼くときと同じ手順。
こうすることで、三日月形の両端が細くとがった形になります。

おもむろにカットした部分を押し広げて。。。

巻きます!!

あ、書き忘れてましたが、
さっき細かく筋を付けた側(=歯ブラシを当てた側)が下面になってます。
そうしないとせっかくの筋が内側に入って見えなくなっちゃうからね。
巻きあがったばかりだと、両端がこんな風にちょっと開いた状態。

このままだと美しくないので、端っこを処理します。

指を使ってそっと端っこをつまみ、巻き方向に合わせて軽くひねってます。
あまりやりすぎると筋は潰れるし巻は潰れるしなんで、
あくまでも自然に軽~い感じでそっと縁を閉じていきます。
完全に閉じちゃわなくても、それそれでオッケー。
うずまきが途切れていない形になれば充分です。
最後。
全体を見直してみて、もし生地がまとまりすぎて
ロールパンみたいになっちゃってたら。
つまようじの先っちょを生地と生地の間に突っ込みまして。。。

上の生地を軽く持ち上げるように引きはがしております。
これこそ本当に気持ちの問題なんで、やらなくてもきれいにできてたら
そのままにしちゃって大丈夫。
アンバランスで自然な形が好みなわたしのこだわりポイントです。
これで普通タイプのクロワッサンの成形はおしまい。
あとは着色まで3~4日くらい、どっか邪魔にならないとこに置いといてください。
◆ちょいマニアックな作り方◆
より一層サクサク感を強調するために最近よく作ってるやり方です。
が、中々思い通りの形にならないので、ここにアップする意味あんのかちょっと苦悩

まあいいか、覚書きだし。
正直効率が悪いうえに強度が足りないので、アクセサリーには向きません。
でも作っててドキドキ感が味わいたいときはイイかも?
同じ2.5ccの粘土を使い、今回はひたすら薄く延ばすところから始めます。
使ってるのは100均のクッキーローラー。
最初はバカにしてたんだけど、どうしてどうして、結構使える便利道具でした。
なければ太書きのマジックペンの軸とかでも充分ですが。
適当な形に丸めた粘土をクッキングペーパーにはさみ、
とにかく力任せに薄く延ばします。

そりゃもう親の仇のようにしつこくグイグイして、
これでもかってくらいに出来るだけ薄く延ばしておきます。
というか、本当はそこまで薄くしなくてもいいんですが、
薄い方がなんとなく枚数がいっぱいとれそうでついやりすぎちゃいます

延ばした生地を、二等辺三角系の形にカットします。
底辺が2cm、高さ5cmで切っております。
簡単パターン同様、このサイズはお好みで微調整可。

最初に適当な形で延ばしてるんで、どうしたって切れ端が出ちゃいます。
そしたら切れ端を集めてこね直し、
もう一度薄く延ばして同じサイズにカットしてを繰り返します。
最後にほんの少し残った切れ端は、大体同じくらいの形に
フリーハンドで延ばして使います。
めんどくさいときは捨てちゃいますが。。。

全部カットし終わったら、表面が乾くまで10分程度放置しときます。
これが意外と重要で、すぐ次の作業をしちゃうと、
せっかく薄くした粘土が全部くっついて、まったく層の感じになりません。
かと言って乾かしすぎると巻いてもバラバラになっちゃってまとまりません。
表面がサラサラして指に貼りつかず、曲げると軽くへにゃっと曲がる、
そんくらいの加減がベストです。って、解りにくいわ~~

表面が乾燥したら、全部の生地を一つに重ねていきます。
出来るだけぴったりと、キレイに重ねるように頑張ってみますが、
毎度ここでちょっとづつずれた奴が飛び出しちゃうんですよね。
まあそれも手作りのアジってやつだと思って気にしませんが


表面が乾燥しているので、生地同士はあまりしっかりとくっついてくれません。
乾燥が進みすぎてどうにもバラケてしまう場合は、
接着するためにモデナペーストを塗ってみたりすることも。
これも多すぎると脇からはみ出て汚くなっちゃうので、
縁の方には付けないように薄めに中央部分に塗るくらいですかね。

実際、木工用ボンドでも構わんちゃー構わんのです。
が、万一はみ出したときに、木工用ボンドだと「焼き色の達人」では
色が付いてくれないんですよね。
その部分だけ「いかにもビニール」って感じに仕上がっちゃうので、
ここは面倒でも同じ樹脂粘土素材の「モデナペースト」、
なければ「軽ーい紙粘土」なんかを水で溶いたものを使うのがイイかもです。
全部の生地を重ねたら、後は簡単パターンと同じ手順で巻きます。
両端の出っ張ったところの処理も同様ですが、
乾いた薄い生地が好き勝手に飛び出してビロビロしてる状態なので、
簡単パターンの用にはきれいにまとまってくれません。
わたしは毎度チカラ技で何とか見られる形にまとめてますが、
失敗すると両端がベロベロとめくれた悲しいクロワッサンが出来上がります。
ふふふ。。。マニアックな上に割の合わない話でしょ。。。ふふふ。。。

◆着色はいつも通り◆
完全に乾いたら色を付けるわけなんですが、
焼き色の達人を使った着色はすでにブログに上げてしまったんで、今回は割愛。
ただ、クロワッサンとかデニッシュとか、
とにかく隙間が多いパンの場合だけはひと手間余分にかかるんで、
そこんとこだけちょっと説明しときましょうね。

アイシャドーチップのブラシを使って、隙間に黄土色を付けているところです。
クロワッサンはバターが多目な上に溶き卵を塗ってから焼くので、
表面はかなり良い色にパリッと焼きあがります。
火があたりにくい内側で、焼きあがると同時に持ち上がってくる巻き目のあたりでも、
見えている生地が真っ白な状態ってことはまずありません。
なので、内側にも焼き色の一番薄い色を付けるために
こんな細かい作業をしております。
アクリル絵の具だと、この処理ができないんですよね~。。。
いや、ものすごく器用で極薄の黄土色を筆で塗れるような繊細さがあれば
ちゃんと色を付けられるんでしょうけれども。。。

てなわけで、粘土クロワッサンの制作はすべて終了です。
上の方でも書いてますが、生地を薄く延ばしてから重ねるマニアック方式だと
どうしても粘土がガッチリしたカタマリ状になりにくいので、
金具をつけてぶら下げるようなアクセサリーには向きません。
かなり固くなる粘土(コス×グレミックスとか、モデナとか、レジックスとか)なら、
コッテリと接着剤を使って深く金具を押し込めばいけるんですが。
少なくとも粘土が柔らかいファリネッタでは、怖くてできませんね。
引っかかる可能性が高いスマホアクセサリーとかだとなおさらです。
薄く延ばして重ねて作るやり方は、デニッシュでもよく使います。
そっちも機会があれば、そのうちに写真撮ってアップする予定です。
が、デニッシュはトッピングとかの方がはるかに楽しいしボリューミーなので、
成形編はあまり丁寧にはならんと予想

そもそもこんな面倒な作り方する人もあんまりいないんじゃないかと思うんで、
まぁ、いいか

それではミニチュアクロワッサンはこの辺で閉店ガラガラ~

次回、ミニシナモンロールorねじねじパンの作り方も
よかったら遊びに来てくださいね~~

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