接着剤の黄変実験(3ヶ月/2年目追記あり)

何だかあんまりパッとしない天気が続いている7月後半。
せっかくの夏休みなのに、あんまり海や山へ行けない子供たちが
ちょっと気の毒になりつつある今日この頃でございます 

さて、今を去ることちょうど三か月と3日(・・・丁度とは何かとか言わない)。
こんなものを作ったのをまさか覚えてらっしゃる方はいらっしゃるでしょうか。

s-427all.jpg

これは、手持ちの接着剤の質感とか色とかをチェックするために
牛乳パックに一通り絞りだしてみたものです。
なぜこんなことをやっているかというと、
接着剤の変色を調べようと思って。
作成したのは2017年4月27日でした。

"接着剤の変色"とはどんなことを言うかといいますと、
よく使い掛けの接着剤のキャップのところを見ると、
こんな風になってることがあります。

s-黄色い.jpg

はみ出した接着剤が、なんか黄色いっていうか茶色いっていうか、
汚い色になって貼りついてるの、見たことありませんか。
これが接着剤の変色、または黄変と呼ばれてるものです。
原因は紫外線じゃないかという意見や成分変化という意見が色々。

普通接着剤はモノとモノの間にはさまれる部分なので、
色が多少変わっちゃってもあんまり目立つことはありません。
普通はね。
でも、ミニチュアフードを作っていると、接着剤を接着用途だけじゃなくて、
素材として扱うことがあります。
代表的なのが、ソースとかジャムとか、透明度の高い液体や
半液体の物を表現するときです。
例えばですね。

s-シュガーグレイズ.jpg

これはシュガーグレイズというゆるい砂糖衣を付けたパン。
このシュガーグレイズは透明で粘り気のある接着剤と、
アクリル絵の具の白を混ぜて作ってあります。
この時に使った接着剤が簡単に黄変してしまうとなればちょっと問題。
作りたてだと真っ白で砂糖に見えているものが、
数か月後には黄ばんでしまうってことですからねぇ 
せめてハチミツっぽくなってくれればまだしも、
なまじ白い絵の具を混ぜてあるがために、
単に薄茶色い変なソースがかかってるみたいになっちゃうんですよ 

そんなわけで、フェイクフードを作り始めた当初からずっと、
出来るだけ変色しにくい接着剤を探しております。

さて、さっきの画像をもう一度出しますね。

s-427all.jpg

これは現在わたしが使っているすべての接着剤です。
左から、
・セメダインスーパーXゴールド(セメダイン)
・ウルトラ多用途SUプレミアムソフト(コニシ)
・ウルトラ多用途SUクリヤー(コニシ)
・ウルトラ多用途SUプレミアムハード(コニシ)
・パーフェクトデコ(セメダイン)
・木工用ボンド速乾(セメダイン)
・おまけ:ジェルメディウム(リキテックス)
の7種類を絞り出してみました。

セメダインスーパーXとコニシウルトラ多用途シリーズは、
いずれも作った粘土作品をアクセサリー加工するときに、
金具などとしっかり接着するために使います。
金属とプラスチックや樹脂をしっかりと接着できるようになっていて、
手に入りやすさも価格もお手頃なのでとても重宝なんですよね。

パーフェクトデコという接着剤は、
ラインストーンやスワロなんかをデコるときに使う専用接着剤です。
乾燥後の接着力は強いけどすぐにカチカチに固まらず、
ストーンを置いてからしばらくの間なら動かせて、
微調整やデザインがしやすい、っていう売り文句の接着剤。
容量が少なくて、他の物に比べるとコスパはあまり良くありません。
でも透明度が高めで、ストーンを曇らせないというのがウリなので、
ラインストーンであれこれデコりたい人には人気があるみたいですね。
別にデコ電なんかを作るつもりもないのに何でわたしがこれを持ってるかというと、
ネット情報で「変色しにくい(らしい)」というウワサを目にしたからです。

最後の木工用ボンドとジェルメディウムについては、
ここまでの製品達とは用途がちょっと違います。
木工用ボンドは粘土同士や粘土と板、紙なんかを貼りつけるのにも使いますが、
不透明でプルンとしたソース、例えばマヨネーズなんかを作るのにも使います。
当然金属は接着出来ないので、透明接着剤とは別に
どうしても一本は持っておかないといけない必需品。

ジェルメディウムは接着用途ではほとんど使いません。
これは絵の具と混ぜて固着させたり盛り上げたり、
下地に塗ったり保護材として上から塗り固めたりと、
どっちかというと媒体として使うための透明なアクリル樹脂ですね。
透明接着剤やボンドと違い、まったく粘り気がないクリームみたいなテクスチャーです。
デコパージュを作るときには紙を貼り付けるのに使ったりもしますが、
基本樹脂粘土を使うフェイクフードでは絶対ないといけないって素材じゃありません。
ただ、これも粘り気のないソースを作るのに便利っぽかったので、
Amazonポイントが貯まった時に手に入れておいたものです。

念のためにいいますと、こんなにいろんな種類の接着剤を
取り揃えておく必要なんて本当はありません。
どれか1本大容量チューブを買ってあれば、
半年くらいは充分に使えるほどの量がありますから。
わたしがこれらを買い集めたのは、あくまでもソースに使うために
黄変しにくい物を探しまくってた結果です。
おかげさまで向こう何年かは接着剤買わなくても良さそうよ 

さて、説明が長くなりましたが本題です。
これらの接着剤がどういう風にどれくらいの期間で変色するかを
調べた結果を見てみましょうね。

実験方法ですが、わたしの部屋の比較的直射日光が当たりにくい北向きの窓に
こんな風において置いてみました。
紫外線が原因か経年変化なのかわからないので、
とりあえず弱い日光にもさらしてみようという作戦です。

s-接地.jpg

隣の壁が目の前なので、日光すなわち紫外線が当たるのは、
隣の壁に反射したしたわずかな光、曇り空の日と同じくらいじゃないかと思います。

まず、最初に絞ってから約2ヶ月目。
2017年6月22日にチェックした画像です。

s-622all.jpg

画像がちょっと暗いですが、結果から言うと
最初に絞った時とあんまり変化は見られませんでした。
あえて言うなら、一番左のスーパーXがわずかに黄色いですが、
これは元々こんな色だったんで黄変と言えるレベルじゃありません。

で、さらに1ヶ月後。
最初に絞ってから3か月目にあたる2017年7月28日の画像です。

s-728all.jpg

おっとぉ 
前回から1か月しか経ってないのに、明らかに色が変わったやつがおりました。

一番左側の「セメダインスーパーX」と、その隣の「ウルトラ多用途SUソフト」、
5番目の「パーフェクトデコ」の3本は、
明らかに"黄色くなっちゃいました~~"的な色合いに変化しております。

同じ用途の透明接着剤5本にズームしてみると。

s-スーパーX.jpg

どの接着剤もまったく変色してないやつは皆無です。
中では「ウルトラ多用途SUプレミアムハード」が、
肉眼で見てもあまりはっきりと黄変はしていないように見えます。
写真だと光の加減でわかりにくいんですが、
「スーパーX」「パーフェクトデコ」の2本はあからさまに薄茶色に。
「ウルトラ多用途SUプレミアムソフト」と「同クリアー」は
ほんの少し黄色味がかって来たかしら?くらいですね。

ついでに木工用ボンドとジェルメディウムですが。

s-ボンド.jpg

隣のパーフェクトデコと比較すると明らかに透明なままです。
まぁこれは想定通り。
透明接着剤は溶剤が空気中の水分などと化学変化して硬くなるのに対し、
木工用ボンドは含まれる水分が素材に浸透したり蒸発することで
酢酸ビニル、つまりビニール状になることで接着するため、
変色するような化学変化が起こりにくいんだと思います。
(あくまでもシロウト考えだけど、そんなに遠からずと思う 

で、同じ透明接着剤仲間のスーパーXとウルトラ多用途の差は、
原料の溶剤の違いじゃないかと思うんですよね。

粘土のミニチュアフードをアクセサリーに加工したとして
その耐用年数はわたしの中では大体半年、長くて1年と想定しています。
てことは、3ヶ月でこれほど差が出てしまうとなると、
黄変しやすい物はちょっと使うのをためらっちゃいますねぇ 

かと言って、一番変色が遅れている「ウルトラ多用途SUプレミアムハード」は、
チューブから出したとたんに固まりだしちゃって、
のんびり絵の具を混ぜたり粘土に塗り付けたりしている余裕があまりありません。
ちょっと変色し始めていた「ウルトラ多用途SUソフト」が
硬化が少し遅めで扱いやすいんですが、
こちらは変色は置いておいたとしても、乾燥後も柔らかいままで
表面がべた付くという欠点(?)があります。
一長一短ですねぇ 

本当はまったく変色しない木工用ボンドやジェルメディウムだけ
使えれば良さそうなもんですが、
ソースやジェルは質感がイノチな部分もあるので、
粘り気がないボンドやメディウムだと表現しにくい物も多くて。。。 

てなわけで、接着剤各種の変色実験3か月目の経過でした。
ホント、こういう意味があるんだか無いんだかよくわかんない実験、
大好きで困っちゃいます 

今回作ったサンプルは、せっかくなんでこのまま元の場所に戻して
もうちょっと様子を見ようかと思っております。
質感の変化とかヒビとか、他に何が起こるかわかんないしね。
また何か面白いネタが出来たら投下するかも知れませぬ。
その時はまたよろしくお願いしま~す 

--------2019年6月12日追記------------

粘土遊びからちょっと遠ざかっているため、このブログもずいぶん放置してしまいました。
が!このページをいまだに見に来てくださる方がチョコチョコいることに気づいてビックリ!
フェイクフードを作っている方以外にも、接着剤選びに悩む人は多いんですねぇ 

というわけで、せっかくなのであれから2年経って接着剤がどうなったのか。
画像を貼り付けておきますよっと。

2年目.jpg

まずこれが、全体の写真です。
・・・って、取ってあったんか~い 
環境は以前と同じ「北向きの窓枠」です。
普段開かない窓なので掃除もろくすっぽしておらず、うっすらとホコリをかぶってしまって申し訳ない。
ところどころにエンピツ線みたいなのが見えるのは、ズバリ!ホコリが接着剤にこびりついた跡です。てへ。

いかがでしょうか。
さすがに2017年7月から2年の月日を超えて、接着剤たちも渋みを増してきたようですね。
用途別にズームしてみましょうか。

まずはセメダイン系の5本。

セメダイン系.jpg

おさらいすると左から以下の順です。
・セメダインスーパーXゴールド(セメダイン)
・ウルトラ多用途SUプレミアムソフト(コニシ)
・ウルトラ多用途SUクリヤー(コニシ)
・ウルトラ多用途SUプレミアムハード(コニシ)
・パーフェクトデコ(セメダイン)

「ウルトラ多用途SUプレミアムハード」すごくありませんか?
ホコリっぽいのを除外すると、ほとんど色が変わっていないように見えます。
逆に変色のスタートが早かった「セメダインスーパーXゴールド」と「パーフェクトデコ」は、
いい感じに(?)コハクがかった茶色を深めておりました。

そしておまけで準備したボンド系です。

ボンド系.jpg

左の2個は参考までにセメダイン系の「ウルトラ多用途SUプレミアムハード」「パーフェクトデコ」。
右から2個目が「木工用ボンド速乾」。
100均でも買える木工用ボンドですが、時間の経過による変色という点では
まったくと言って差し支えないくらいに変化が見られませんでした。
一番右側の「リキテックス ジェルメディウム」も同様で、色つや共に2年前とほぼ同じ状態です。
この二つの違いですが、ボンドはご存知のようにちょっとモッテリとして粘り気があり、
メディウムはサラッとして筆で塗るのに適しています。
が、実はメディウムの方は乾くと耐水性になるのに対して、ボンドは濡れると溶けてしまいます。
紙工作なんかだと水に濡れることはないのでボンドで充分なんですが、
屋外に持ち出したりするミニチュアフードのアクセサリーなどは、メディウムの方が安心かなって気もしますね。

さて、この実験も2年続けた(放置してた)ので、今回が最終回となります。
ついでなんで、接着剤本来の目的というか、接着力がどうなってるかも試してみました。

エイヤっと!

折り曲げ.jpg

勢いよく折りたたんでみた画像です。

う~~ん、さすが。
どの接着剤もピッタリと貼り付いて、はがれてくる気配もありません 

ちなみに土台に使っているのは牛乳パック。
wikiによれば"紙にポリエチレンをコーティングしたもの"だそうですが、
接着力では弱めな印象の木工用ボンドですらまったく異常はありませんでした。
あえて言うと「ウルトラ多用途SUプレミアムハード」は折り目でぽっきりと割れていますが、
これは元々乾燥後かなり硬くなる性質だから当たり前なんでしょう。
他の接着剤はどれも、折り目に密着したままで曲げても折れませんでした。


というわけで思いがけず平成→令和をまたいだ接着剤の黄変実験。
これにて終了でございます。
最後まで読んでくださってありがとうございました♪
でわでわ~~  


★この実験は、あくまでも素人が適当な環境でざっくりと行った物です。
必ずしも正しい結果が得られている保証はありませんので、その点はご了承ください。
また、いずれの製品に対しても優劣を語るつもりはまったくありません。
接着剤をお選びの際は、用途や好みに合わせてご自分でよく検討されることをお勧めします 


この記事へのコメント

  • こたん

    とっても参考になりました、ありがとうございます!
    2018年01月30日 23:02
  • Reisuke Tutihashi

    とてもいい実験だと思います。何を調べていたかと言うとFBのDIYのグループ内で木の小さな傷を目立たせなくするのにその木の粉を作り(何か)で練って刷り込むという人がいてその時その何かが木工用ボンドの時もあるというようなことをおっしゃっているので5年10年しない内に変色しない物かどうか調べたく思っていました。セロテープは時間がたつと明らかに変色し接着の機能がなくなります(今売っているセロテープはどうかわかりませんが(^^♪)実験を続けてください。1年?3年変色しなければ大丈夫かどうか(^^)/ あなたのような奇特な実験をされている方を尊敬します。(#^.^#)
    2019年06月03日 03:00
  • 葉子

    実験、拝見させていただきました。
    どうもありがとうございました。
    参考になります。その後、黄変実験はどうなっていますでしょうか?
    2021年03月15日 19:52

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